一闡提(いっせんだい)

実父の知人で一闡提と呼ばれていた人がいた。
一闡提とは、本来は、欲求しつつある人の意で、真理を信じようとしない快楽主義者や、現世主義者をさした。
仏法では、悟りを求める心がなく、成仏する機縁をもたない衆生。謗法の重罪を悔い改めないもの、不信、謗法のもの。

立正安国論 p27には

すなわち ねはんぎょうに いわく. 
即ち 涅槃経に 云く. 

「ほとけの いわく ただ ひとりを のぞいて よの いっさいに ほどこさば みな さんたんすべし. 
「仏の 言く 唯だ 一人を 除いて 余の 一切に 施さば 皆 讃歎す可し. 

じゅんだ とうて いわく いかなるをか なずけて ゆいじょ いちにんと なす. 
純陀 問うて 言く 云何なるをか 名けて 唯除 一人と 為す. 

ほとけの いわく この きょうの なかに とく ところの ごときは はかいなり. 
仏の 言く 此の 経の 中に 説く 所の 如きは 破戒なり. 

じゅんだ また いわく われ いまだ げせず ただ ねがわくば これを ときたまえ. 
純陀 復た 言く 我 今未だ 解せず 唯 願くば 之を 説きたまえ. 

ほとけ じゅんだに かたって いわく はかいとは いわく いっせんだいなり. 
仏 純陀に 語つて 言く 破戒とは 謂く 一闡提なり. 

その よの あらゆる いっさいに ふせすれば みな さんたんすべく だいかほうを えん. 
其の 余の 在所 一切に 布施すれば 皆 讃歎すべく 大果報を 獲ん. 

じゅんだ また とい たてまつる いっせんだいとは その ぎ いかん. 
純陀 復た 問い たてまつる 一闡提とは 其の 義 何ん. 

ほとけ いわく じゅんだ もし びく および びくに うばそく うばい あって そあくの げんを はっし しょうほうを ひぼうし その じゅうごうを つくって ながく かいげせず こころに ざんげ なからん. 
仏 言わく 純陀 若し 比丘 及び 比丘尼 優婆塞 優婆夷 有つて ソ悪の 言を 発し 正法を 誹謗し 是の 重業を 造つて 永く 改悔せず 心に 懺悔 無らん. 

かくの ごとき とうの ひとを なずけて いっせんだいの みちに しゅこうすと なす. 
是くの 如き 等の 人を 名けて 一闡提の 道に 趣向すと 為す. 

もし しじゅうを おかし ごぎゃくざいを つくり みずから さだめて かくの ごとき じゅうじを おかすと しれども. 
若し 四重を 犯し 五逆罪を 作り 自ら 定めて 是くの 如き 重事を 犯すと 知れども. 

しかも こころに はじめより ふい ざんげ なく あえて はつろせず. 
而も 心に 初めより 怖畏 懺悔 無く 肯て 発露せず. 

かの しょうほうに おいて ながく ごしゃく こんりゅうの こころ なく きし きょうせんして ことばに かぐ おおからん. 
彼の 正法に 於て 永く 護惜 建立の 心 無く 毀呰 軽賎して 言に 過咎 多からん. 

かくの ごとき とうの ひとを また いっせんだいの みちに しゅこうすと なずく. 
是くの 如き 等の 人を 亦た 一闡提の 道に 趣向すと 名く. 

ただ かくの ごとき いっせんだいの やからを のぞいて その よに ほどこさば いっさい さんたんせん」と. 
唯 此くの 如き 一闡提の 輩を 除いて 其の 余に 施さば 一切 讃歎せん」と. 
(ひらがな御書より)

その人は、母を折伏してくれた人の、旦那さんで、実父と同業者だった。
子供のころ、家族には嫌われ者のその人だが、私のことは、どういうわけか、かわいがってくれた。
下町の一角のその家は、母屋と、離れがあって、中庭には、柿の木やイチジクなどが、植えられていた。
渡り廊下の途中に、お風呂があったりと、そこは、別世界だった。
その人は、奥さんが信心することを反対し、ご本尊様にまで、手をかけるような人だった。
随分と、暴力も振っていたようだ。
次女が嫁にいき、その奥さんは娘夫婦の家に、ご本尊様をご安置し、同居することになった。
奥さんは、至れり尽くせりの晩年を過ごした。

その頃、彼も年をとり、すっかりいいおじいさんに変わっていた。
選挙も応援してくれるようになり、座談会にも出席するようになる。
10年ほど前の、2月のこと。
我が家では、毎週のように、支部10時間唱題会が行われていた。
そのさなかでの、座談会。
母は、その人を座談会に連れ出す。
当時の支部長が
「○○さん、そろそろ、私たちの仲間に入りませんか?」
と、握手をしようと手を伸ばすと、
「はい、よろしくお願いします」
と、手を差し出すじゃありませんか。
耳の遠くなっているその人に、母は
「○○さん、創価学会に入ろうと言ってるんですよ」
と、まさかそれは聞き間違いだとも言うように、念を押した。
「はい。よろしくお願いします」
ひょうたんから駒のような話である。
そして、めでたくご本尊様をいただくのであった。
その、吉報を聞き、奥さんはその後霊山へと旅立つ。

その後、長女の家族と同居し、最期を迎えるのであるが、そのとき私は、バカボンパパと一緒に、冠婚葬祭の仕事をしていた。
その人を、仕事として、見送ることになる。
霊柩車で、運ばれた、その人の手は、布で軽く結わかれていた。
運転手に聞くと、掌を組んでも、やわらかくて、だらりとなってしまうという事だった。
眠っているかのようなその人の、掌の布を、ほどいた。
生きているときと変わらない、柔らかな手だった。
家族葬で送り、うちの母に、最後のお別れの言葉を言ってもらった。
「○○さんは、学会に奥さんをとられてしまったような、錯覚に陥ってしまったんでしょうね。
来世は、仲良く、学会家族として、生まれてきますね。
そのうちお邪魔しますが、それまで2人で仲良くやってください」と
長女が、号泣した。
いやなおやじのまま、死んでくれれば、こんなに悲しくなかったのに。と
いくつになても、人は変われるのだ。
新たに、入会するって事は、悔い改めて、出直すって事でしょ。
どんなに過去が悪くても、心からその罪を悔い改めれば、成仏できることを、目の当たりにした出来事であった。
ご本尊様って、ほんとにありがたいね。


 
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Commented by ‡ 大 野 武 士 ‡ at 2014-02-12 01:25 x
やわらかなる事 兜羅緜の如し

御聖訓にあるように、トロメンのように柔らかかったんでしょうかねえ。

ええ話や……。
深夜にこれ系の話見るの胸に堪えますよ……。(`;ω;´)ブワッ

しかし、いつの間にやらいいブログになりましたねえ。
昔は真っ黄色な◯◯◯ブログだったのに…(´・ω・`)
Commented by イプシロン at 2014-02-12 01:30 x
ちよさん、こんばんわ^^

私は大丈夫ですよ。自分さえ見失わなければ、ですがね。

記事、いいですね。
臨終正念という言葉がありますが、それを思い出しました。
「はい、やります」
その一言でこれまでのすべての悪業も消え、教学など何一つ知らなくても、仏法の全てを知った(即身成仏した)ことになるんだそうです。

先生が仰っていました。
「だから、何も心配しないくていいんだよ」と。
そうそう、素直に御本尊を求める気持ちががあれば、それでいいのだと思います。
それが、師匠と同じ立場にたった臨終正念なんだそうです。

臨終正念というと、なにか死ぬ気でやれ! みたいなプレッシャーを感じていたかつての私。今も少しはありますけどね(笑)
それを解いてくださった師匠。
感謝、感謝ですね。

記事を読んでいて、ああ、この方の心こそ大切だな、と感じましたよ。
Commented by ちよ at 2014-02-12 07:47 x
大野さん おはようございます
おかげ様で、う○こ色から、ピンクに 変シーンです
変身って入れると 返信が出てくるから笑える
でも私、本とは、ものすごーくう○こブログに執着してるんです
だって、かわいーんだもん
マロンクリームと間違えて、ずーっとう○こ って知らない人もいた(笑)
なんてったって、ちよさんらしいなんって言われると快かーん
いつも読んでくれて有難うございます
たまには、キャピキャピ会話の参戦も(笑)いかがですか?
Commented by ちよ at 2014-02-12 07:59 x
伸ちゃん 心こそ大切
たくさんの、臨終を見て、ホントに思い知らされましたよ
今世、最期の折伏なんでしょうね
法華経の智慧 4巻には
臨終只今の臨終、は仏様の臨終だよって
戸田先生が仰るシーン
30分は、泣けますね
体が弱かった、池田先生の、とにかく生きる
そして、戸田先生が生きている間に、戸田先生の構想を実現させる そんな気迫を感じます
自分に何ができるか
自ずから 生き方が見えてきますよね

僕は根っこになる
根は見えない
見えなくてよいのだ

先生の声が聞こえてきます

最近では、先生がお数珠を持って、勤行しようね って声が聞こえてくるんです
同報って、ありがたいよ
雰囲気 声が、伝わって、40年前にタイムスリップできるんだもん
Commented by さくら at 2014-02-12 14:22 x
ちよさん。大野さん。こんにちは!
イプシロンさん。はじめまして!


そうなんですね。
「うん、うん」と うなずきながら繰り返し読んでます(^^ゞ
Commented by 千早 at 2014-02-12 19:27 x
ちよさん、久々読みました。
御書はやっぱり難しいですぅ^^;
でも、いっせんだいのこの方が「はい やります」って、だからやっぱりあきらめちゃいけないってことですね。
あ、でもとにかくスロースローで今は行きます。
しないといけないこともすんでないのに、久々創価系を見まくってしまいました。
満足したので、今からカルテ書きます。
書けるかな?書かなくちゃ、これだけはどうしても。
Commented by ちよ at 2014-02-12 22:12 x
千早 がんばれー
Commented by ちよ at 2014-02-12 22:13 x
さくらさん 読んでくれてありがとー
Commented by イプシロン at 2014-02-13 06:11 x
さくらさん、はじめまして。おはようございます。

お、千早さん、はっけ~ん!
少し元気が出たみたいですね。嬉しいです^^
自分に厳しい人だから、いろいろ苦しいんでしょうねぇ。

でも、中心軸さえブレなければ大丈夫ですよ~☆
ともあれ、無理せず、無理せず、共々に前に進んでいきましょう。
Commented by やま at 2014-02-13 18:42 x
3番目のちよさんのレスかわいいですね。
ちよさん乙女になったみたいでかわいいです。(≧∀≦)
Commented by ちよ at 2014-02-13 19:23 x
あらまあ 恥ずかしい事
その時その時の気分で書いてますので・・・
私って、気分屋だったんだ
今更ながらに、発見
Commented by 千早 at 2014-02-13 23:20 x
こんばんわ。自分に厳しいなんて、ブルンブルンブルン(首を振る音)あまあまだれだれですよ (^^)
でも、調子がよいからと50ミリ減らしていた薬元に今日戻したらとっても普通になりました。
1週間がんばろうと思ったやさき薬不足でずっとこけたままになってました(笑)
さっきから普通の事が普通にできる嬉しさを感じます。
祈ってくれたり手助けをしてくれる同志や友人に諸天善神だぁと感謝するように、私の元気を手助けしてくれるお薬さんに諸天善神だあと感謝を忘れないようにしないと~と感じる今です。
すぐに忘れちゃうんですよね、ありがとうって飲むの (^^)
信心していないけどね、すごく膝が痛くてほとんど歩けない患者さん、この痛い膝の野郎のおかげでわたしゃ苦しいんだって言う人 多いけど、この方あなたのおかげで一歩でも二歩でも歩けるといつも痛膝にありがとうを言っているんです。
痛いのにがんばってる膝を褒めてあげてるんです。そっかぁと思いました。
Commented by tomotiyoo at 2014-02-14 00:31
千早さんは 優しいよ
いつもそう思っているよ
私の優しさと、千早さんの優しさ 違ってて 当たり前じゃん
だから、その人に 届くんじゃん
私は、いつもそう思っています
千早さんが好きな みんな ちがって みんないい(笑)
Commented at 2014-02-14 12:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2014-02-14 12:25 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tomotiyoo at 2014-02-14 16:38
非公開さん こんにちわ
コメントに 埋もれてしまう所でした
お返事遅くなって、ごめんなさい
非公開さんは 旦那様に折伏されたのですか?

親孝行できて、よかったですね
あとは、回向していけばいいことですから
非公開さん家族が、幸せになる事が、最高の親孝行ですよね
今年はもっともっと、いい年になりますよ
お互いがんばりましょうね
Commented at 2014-02-14 17:42 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tomotiyoo at 2014-02-14 19:30
非公開さん じゃあ ある意味 入会5年目ですね
きっと 非公開さんは 素直な信心を貫いてきたんですね
私は随分遠回りして、入会3年目 気分ですよ
非公開さんのほうが、先輩だ
Commented at 2014-02-14 20:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by tomotiyoo at 2014-02-16 18:58
非公開さん 遅れてすみません
こんばんわ
迷子になってました
うわー 私のほうが 先輩ですか?
まあそういう事にしておきましょう(笑)
Commented by チャコ at 2017-02-11 01:20 x
初めまして 私はアラ還の婦人部です^_^
素晴らしい体験ありがとうございました。
時々覗かせてもらって 勇気を頂いてます。
これからもよろしくお願いします
Commented by tomotiyoo at 2017-02-11 05:02
チャコさん はじめまして
ありがとうございます
こちらこそ よろしくお願いします(^^♪
by tomotiyoo | 2014-02-12 00:01 | Comments(22)