2013年 11月 13日 ( 1 )

初めてのチューハイ

私の、若き頃の話をする時には、M子という存在が、不可欠である。
一緒にいると、顔が似てくるのか、よく姉妹と間違えられた。
2人とも、記憶が定かでないので、時系列も確かでないが、思い出しながら、綴る事にする。
M子は、中学から私立に通ったので、小学校の時だけ、同じクラスだった。
20歳の時、初めての選挙を、お願いすることになる。
待ち合わせは、喫茶店。日曜の昼間だったような気がする。
「いいけど、一人でいくの嫌だよ」
「じゃあ、一緒に行こう」
と言うわけで、付き添った。というのも、投票所が違うのだ。
彼女は今でも言う。
「あの時一緒に行ってくれなかったら、一生選挙には行かなかったかも」
一生とは、ちいと大げさだ。でも彼女はそう思ったのだろう。
選挙が終わって、当選祝いをしようということになって、M子が、ある店に私を誘った。
そこは、下町の、古くからある居酒屋。
所謂、おやじが行くような店である。
「何飲む?」
「任せる」
「じゃあ チューハイ2つと煮込みね」
これが、非常においしかった。
生意気な私は、個人的に飲むなら、ホテルのラウンジと決めていた。
高校を出て、初めての会社が、清涼飲料水の会社である。
得意先は、赤坂、渋谷、原宿、紀尾井町と、おしゃれな店がたくさんある。
会社の宴会でも、もっぱら、ウイスキーの時代だ。
その中で、チューハイと煮こみには、完全にはまってしまった。
私の中のおやじが、居場所を見つけてしまったのである。
その頃、元旦那さんのY君はというと、自動車会社に勤めていたが、整備から、営業に回され、世田谷をスーツ姿で、歩き回っていた。
もともと、車が好きで、選んだ会社。
でも、内向的な彼には、とても苦痛に感じたようだ。
当時、収入は、私のほうがはるかに多く、転職を考えていた。
私も何を思ったか、じゃあ一緒に辞めて、少し遊ぼうか。なんて、悠長
なことを考えていた。
まじめな彼は、すぐに新たな職場を探し、私もそれを応援するため、早朝勤行に通った。
苦しい時の、神頼みならぬ、苦しい時のお題目だ。
そして、彼は、自分の天職とも言うべき仕事を見つけ、男子部として、成長していくのである。
しかし、ここには、小さな嘘が隠されていた。
それを私が知るのは、10年も経ってからの事だ。
一方、チューハイにはまってしまった私は、夜な夜な遊びまわるという、転落への道を歩むことになる。
つづく
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by tomotiyoo | 2013-11-13 00:00 | Comments(3)