人気ブログランキング | 話題のタグを見る

グローバルウオッチ

共生の未来へ 差異と向き合う② 2018年7月21日
人間の多様さを見つめ、認めることが平和の一歩。
トリシュ・オケインさん

 現代社会の課題と向き合う「グローバルウオッチ 共生の未来へ」。

今月7日付に続く「差異と向き合う②」では、約30年にわたり住民間の紛争があった、イギリスの北アイルランドで生きる学会員を取材。

共生社会を築く上で、創価の哲学がいかなる役割を果たしうるのかを考える。(記事=内山忠昭)

 北アイルランド紛争は1960年代に、イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)の体制維持を求めるプロテスタント系住民と、アイルランド共和国との統一を望むカトリック系住民との間で始まった。

以来、断続的なテロや流血の惨事のため、30年余りで3000人超が犠牲になった。

 98年、イギリス政府とアイルランド共和国政府との間で「ベルファスト合意」が結ばれ、紛争に終止符が打たれた。
本年は、それから20年の時を刻む。
 だが、北アイルランドの中心都市ベルファストの郊外には、確執が生んだ風景が今も残っている。
プロテスタント住民とカトリック住民の居住区が別々に存在しており、その間には「平和の壁」と呼ばれるコンクリート壁や鉄条網が設けられているのだ。その数は約100カ所に上るといわれる。
 なぜ、こうした風景が存在し続けるのか。
 紛争の悲劇を経験した住民の声に耳を傾け、宗教コミュニティーの“壁”を超えた教育を提供する「統合教育基金」の広報担当者サム・フィッツシモンズさんに、その理由を聞いた。
 「紛争の背景に、宗教があったことは確かです。しかし、実際は、とても複雑な要因が絡んでいます。

分離政策がとられるなど、時間をかけて二つのコミュニティーと、それに基づくアイデンティティーがつくりあげられてきました。そこには『差異を恐怖で見る目』が、今も双方に存在しているのです」

心を開く対話

 北アイルランド社会に根強く存在する心の壁。学会員は、どう向き合ってきたのだろうか。

 カトリックの家に生まれたトリシュ・オケインさん(婦人部本部長)はプロテスタント住民との争いの中で育った。12歳の時には、父親を心臓発作で亡くした。
直前に、経営していた理髪店が爆破され、強いストレスを感じているようだった。オケインさんは、他者を恐怖と不信の目で見るようになり、生きる希望さえ見いだせなくなった。
 SGI(創価学会インタナショナル)を知ったのは80年代後半、夫のポール・フィッツシモンズさん(本部長)との出会いがきっかけだ。会合に参加しながら仏法への理解を深め、88年には、唱題の実践を始めた。
 翌89年5月、人生の転機が訪れる。それは、SGI会長である池田大作先生のイギリス訪問に合わせ、ロンドン郊外のタプロー・コート総合文化センターに招かれた時のことだ。
 欧州各地から集ったメンバーは、年齢や職業も多種多様なうえ、政治的な立場すら異なる国々の出身者であるにもかかわらず、仲良く団結していた。何より驚いたのは、池田先生が一人一人を分け隔てなく、家族のように温かく励ます姿だった。
 オケインさんは“世界広布”という言葉を聞いてはいた。
 だが目の前には、現実に人と人を結ぶ平和運動と、そのリーダーの振る舞いがあった。
 「当時、私は“自分が幸せになりたい、自分のために周囲の環境を変えたい、暴力を終わらせたい”と祈り始めたばかりの新会員でした。でも、あの瞬間、たった一人であっても、池田先生と同じように、北アイルランドの人々に貢献できる人生を歩もうと決めました」
 真剣な唱題を続ける中、オケインさんは92年、プロテスタント住民の居住区でコミュニティー開発の仕事を始める。コミュニティー開発とは、北アイルランドにおいて、安定しない政治の代わりに、民間で住民の福祉や生活改善を担う地域コミュニティーをつくることを指す。
 カトリックの家の生まれという出自を考えれば、当時のプロテスタント居住区で働くことは、安全とは言い切れない。
 しかし、実際に働き始めると、そこで出会ったのは、失業や貧困といったさまざまな問題で悩み、社会から疎外されていた多くの人々だった。
 “プロテスタント”である前に、同じ“人間”であることを再認識した瞬間だった。
 オケインさんは、池田先生が示した指針「10人の本当の友人をつくっていこう」をモットーに、そうした一人一人と人間関係を築きながら、必要な支援に力を尽くしていった。次第に人生を好転させていく人々の姿に喜びを感じるようになった。
 2006年には、コミュニティー開発に関する学位を取得。現在も同じ分野の仕事に携わっている。「信仰を通し、真の平和建設とは、自分と異なる人々に心を開いて対話するところから始まるのだと気付きました」

悩みを希望に

 北アイルランドでは、和平合意が実現した後も、さまざまな問題が浮き彫りになっている。
 中でも、若い男性の高い自殺率に注目するのは、心理カウンセラーのプレストン・ゲディスさん(男子部部長)。
 北アイルランドの自殺率は、イギリスの中で最も高い。男性については、2015年までの30年間で8割以上も増加。そのうち最も多いのは、25歳から29歳までの若者だという。
 ゲディスさんはもともと、20年ほど前から、大人も含めたメンタルヘルスの分野に関わってきたが、実は自身にも多くの悩みがあった。
 その一つが失語症だ。言語障害の一つでコミュニケーションに支障をきたし、落ち込むこともあった。
 そんな中、SGIを知った。生き生きとしたメンバーの姿に触れ、06年、28歳の時に入会を果たした。
 SGIの信仰で変わったことがある。それは、日々の唱題の実践を通して、より良い人生を開いていけると知り、前向きになれたことだ。
 さらに、悩んでいた失語症とも向き合えるようになった。

 カウンセラーという仕事は、学術的な努力の蓄積の他に、高度なコミュニケーション能力が欠かせない。
失語症の自分には到底不可能だと思っていた。
 だが、題目を唱える中で、自分がカウンセラーを目指すことに“意味”を見いだせるようになった。
 “うつや不安障害など、人とは違う自身をもてあまして希望が持てず、悩んでいる若者に寄り添えるはずだ――”
 もちろん、現実には、さまざまな壁が待ち構えていた。経済的な困難に加え、“自分には向いていないのでは?”といった不安もあった。
 そんな時は、いつも御本尊に向かい祈っては、同志から励ましを受けて乗り越えてきたゲディスさん。
「SGIの活動の中心にあるのは、一人一人が唯一無二の存在で、最高の敬意を払うべき価値を持っていると信じることだと感じます」
 そうした信仰から得た視点は、仕事の中でも生きている。
 ゲディスさんが目指すカウンセリングは、患者が自身の力で幸せをつかんでいくために、自分に本来備わっている価値を見つめ直してもらうものだ。

現実から離れず

 池田先生は、和平合意後に発表した第24回「SGIの日」記念提言(1999年1月)で、21世紀に共生社会を築く方途を、次のように展望した。

 「互いを最初から“対立する存在”として捉えるのではなく、何が障害となり、何が対立を生みだしているのか――それを見極める作業こそが、まず求められるべきでしょう。
平和の糸口は、相手を“敵”として見る前に、同じ『人間』として見ることから開けてくるものなのです」
 差異を恐れ、心に壁をつくると、その向こうにいる個々の人間の実像と出あう機会が奪われる。
そして、宗教やコミュニティーなどに集約された「単純化した存在」として相手を見ることで、恐れがますます増幅・固定化する悪循環に陥っていく。
 創価学会は、そうした一人一人に、内面の変革を通じて、相手を同じ“人間”として見る作業を促しながら、人間の多様性への気付きと承認の機会をもたらしているのではないか。
 また、先生は語っている。「大事なことは『人間の多様性を認めるところから、仏の説法が出発している』という点です。
 状況も違う、個性も違う、機根も違う具体的な一人一人を、どうすれば成仏させることができるか。個々の人間という『現実』から一歩も離れずに、成仏への道筋を明かすのが法華経です。“一人を大切に”こそ、法華経の「人間主義」であり、「ヒューマニズム」なのです。それが「仏の心」です。“一切衆生の成仏”という法華経の根本目的も、“一人を大切に”から出発し、そこを徹底させる以外にないのです」(『法華経の智慧』)
 一対一の対話こそが、抽象化・単純化の罠から人々を解き放ち、平和と幸福、そして共生の道を開いていくのだ。

 感想・意見をお寄せください
 メール:g-w@seikyo-np.jp
 ファクス:03-5360-9613


「たった一人であっても」
ここが凄いね

「一対一の対話こそが、抽象化・単純化の罠から人々を解き放ち、平和と幸福、そして共生の道を開いていくのだ。」
座談会も大切だけど 個人指導の大切さ 折伏の大切さが わかりますね(^^♪

励まされる側から 励ます側に\(^o^)/


by tomotiyoo | 2018-07-21 06:34 | Comments(8)

Commented by tomotiyoo at 2018-07-21 06:41
おはようございます
はじめます 南無妙法蓮華経
Commented by Tommyの仏壇 at 2018-07-21 08:04 x
皆さんお早うございます
経も一日頑張りましょう
Commented by tomotiyoo at 2018-07-21 09:47
ありがとうございました

仏壇さん おはよう
バカボンパパは スイカの代わりに 胃カメラです
今は 楽なのがあるみたいですね(^^♪
Commented by Tommyの畑 at 2018-07-22 07:00 x
皆さんお早うございます
経も一日頑張りましょう

バカボンパパさん、お大事に。
元気になって、早くオㇻの作ったスイカを食べに来てください。
Commented by ちよ at 2018-07-22 07:29 x
9時から始めます。
Commented by ルル at 2018-07-22 07:56 x
お早うございます(*^^*)
始めます(^-^)/
Commented by ちよ at 2018-07-22 08:57 x
おはようございます

ルルさん ちよのコメント ありがとう(^^♪

畑さん
バカボンパパは スイカが大好物(o^―^o)ニコ
果物は 糖が高いけど スイカは水分だから大丈夫みたいよ
スーパーの スイカを 畑さんのスイカと思って 食べさせましょう\(^o^)/

そろそろ はじめます
南無妙法蓮華経
Commented by tomotiyoo at 2018-07-22 09:54
ありがとうございました

今朝は 何気に みかんさんも 同盟でした(^^♪

今日も 暑いですね

さきざき
「前前の用心」怠らず

では~